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会計士にとって、生成AIは必須のスキルになる
最近、会計士にとって生成AIを活用する力は、もはや「あれば便利」なものではなく、 必須のスキルになっていくのではないかと感じている。
私たちの仕事を振り返ると、実務のかなり大きな部分は、パソコンの前で行う作業で占められている。 感覚的には7割から8割、場合によっては9割近くがそうかもしれない。 残りの部分は、クライアントへのヒアリングや、クライアントとのディスカッションである。
少なくとも会計監査の文脈では、この整理はかなり実感に近い。 必要な情報をきちんと入手できれば、その後には、集めた情報を読み、整理し、判断し、 監査調書として形にしていく作業が続く。
手順化できる部分は、AIの補助を受ける
監査には、監査基準や監査基準報告書で定められた手続がある。 もちろん、すべてが機械的に処理できるわけではない。 ただ、やるべき手順がある程度明確な領域については、その内容を整理し、 生成AIに扱いやすい形に落とし込んでいくことができる。
たとえば、監査上確認すべき観点や、調書に記載すべき要素をあらかじめ整理しておく。 そのうえで、入手した資料やヒアリング内容をもとに、監査調書のドラフトを生成AIに作成させる。 私たちは、そのドラフトを読み、違和感を見つけ、必要な修正を加え、最終的な判断を行う。
このような流れは、今後かなり現実的になっていくと思う。 多くの作業は、生成AIの補助を受けながら、より速く、より整理された形で進められるようになる。
最後に残るのは、判断である
ただし、だからといって会計士の価値がなくなるとは思っていない。 むしろ、最後に残るものがはっきりしてくるのではないかと感じている。
一番重要なのは、判断の部分である。 どの情報を重く見るのか。 どこにリスクがあると考えるのか。 どこまで追加の確認を行うべきか。 最終的に、専門家としてどう結論づけるのか。
この部分は、簡単には生成AIに預けられない。 そして、おそらくここにこそ、専門家としての価値が残る。 AIが作ったものをそのまま受け取るのではなく、AIを使いながらも、自分の頭で判断する力が問われる。
2026年5月時点で考えていること
今は2026年5月である。 この時点でも、すでに生成AIの活用は実務に入り始めている。 しかし、5年後には、仕事の進め方そのものが大きく変わっていても不思議ではない。
そう考えると、会計士にとって生成AIを活用するスキルは、早めに身につけておくべきものだと思う。 単に新しい道具を試すという話ではない。 自分の仕事のうち、何をAIに任せ、何を人間が引き受けるのかを考えることでもある。
生成AIによって、手を動かす作業の多くは変わっていく。 その中で、専門家としての判断の質が、これまで以上に問われるようになる。
会計士が生成AIを使うことは、もはや特別なことではなくなっていく。 その変化を受け身で眺めるのではなく、自分の仕事の中でどう活かせるかを考え続けたい。